真伝勇伝・革命編 堕ちた黒い勇者の伝説〈3〉
「王になる権利を得る、この質問を受けるには、条件がある。―君の答えが気に入らなければ、私は君を殺す」ローランド帝国王を守護するエリス家の現当主、ルシル・エリスの問いかけに、シオンは小さく笑った。母親が死んで。戦場で仲間を失って。親友も守れず、創られた英雄として祭り上げられて。そんな愚かで、無力な自分が、大切なものを守る力を手に入れられるなら。―どんな代償でも払ってやる。「いいだろう、お前の質問を聞いてやろうじゃないか」革命前夜。シオンとルシルが出逢い、『堕ちて狂った勇者』の運命が動き始める、伝勇伝サーガ第3弾。